分析ダッシュボード

このページでは、ボイスボットの稼働状況をグラフや数値で確認できます。 どのシナリオが効果的か、あるいはどこでユーザーが困っているかをデータに基づいて分析できます。

1. 表示データのフィルタリング

まずは、分析したい対象と期間を画面上部のコントロールパネルで設定します。

項目 説明
シナリオ選択 特定のシナリオに絞って分析できます。「全シナリオ」を選択すると合算値が表示されます。
バージョン選択 特定のシナリオ選択時のみ表示されます。特定のバージョン(修正前・修正後など)の比較に便利です。
期間切り替え 「直近24時間」「直近7日」「直近30日」から集計スパンを選択します。

Tips

「直近30日」+シナリオ選択時は、最新のアクティブバージョンが自動的に選択されます。これはファネル分析の視認性を向上させるためです。

2. 主要KPIカード(重要指標)

画面上部の4つのカードは、ボットの健康状態を示す最重要指標です。

  • 総入電数:ボットが受けた電話の総数
  • 完了率 (Completion):シナリオがエラーなく最後まで到達した割合
  • 成果達成率 (CVR):予約完了や購入など、ビジネス上のゴールに達した割合
  • 途中離脱数:シナリオの途中でユーザーが電話を切ってしまった件数

3. ビジネス分析タブ(ボトルネックの発見)

ボットの応対フローに問題がないかを分析するメイン画面です。

日次トレンド(グラフ)

入電数、完了数、離脱数の推移を時系列で表示します。

  • 棒グラフ: 「完了」と「離脱」の内訳を積み上げ形式で表示
  • 折れ線グラフ: 成果達成(CV)数の推移を表示

離脱箇所ランキング (Worst 5)

「ユーザーがどのステップで電話を切っているか」をランキング形式で表示します。

  • 活用方法
    上位のノード(ステップ)は、ボットの説明が分かりにくい、あるいはユーザーが答えにくい質問をしている可能性があります。
  • エディタ連携
    特定のシナリオを選択している場合、 「エディタでフローを確認」ボタンから即座に修正画面へ移動できます。

4. ファネル分析タブ(シナリオの離脱ポイントを可視化)

シナリオの各ステップ(ノード)をどれだけの通話が通過し、どこで脱落しているかをファネル形式で表示します。

NOTE

ファネル分析を利用するには、画面上部のフィルタでシナリオを1つ選択する必要があります。「全シナリオ」のままでは表示されません。

ノード別到達率(グラフ)

横棒グラフで各ノードの到達数を表示します。グラフの棒にマウスカーソルを合わせると、到達数・到達率・離脱数・離脱率の詳細がツールチップで確認できます。

ノード別到達率(テーブル)

グラフの下にテーブル形式でも同じデータが表示されます。到達率に応じて色分けされるため、数値でもボトルネックを特定しやすくなっています。

到達率 意味
80%以上 大多数のユーザーが通過 — 問題なし
50〜79% 一定の脱落あり — 改善検討の候補
50%未満 大幅な脱落 — 優先的に改善が必要

活用方法

  • 到達率が急激に下がるノード(「ガクッと減る箇所」)を見つけることが改善の第一歩です。
  • 離脱率が高いノードは、質問が分かりにくい・選択肢が足りない・応答が遅い等の問題がある可能性があります。
  • シナリオを修正した場合は、バージョンフィルタで修正前後の到達率を比較してください。

5. 時間帯分析タブ(入電パターンの把握)

時間帯別・曜日別の入電パターンを確認できます。オペレーター配置の最適化やボットの稼働時間帯の見直しに活用してください。

ピーク情報カード

画面上部に、最も入電が多いピーク時間帯ピーク曜日がカードで表示されます。

時間帯別入電数

0時〜23時の各時間帯における通話件数を表示します。

  • 棒グラフ:「完了」と「離脱」の内訳を積み上げ表示
  • 折れ線グラフ:CV(成果達成)数の推移

曜日別入電数

月曜日〜日曜日の各曜日における通話件数を同じ形式で表示します。

活用方法

  • ピーク時間帯の特定:入電が集中する時間帯に合わせて、オペレーターの待機体制を調整できます。
  • 離脱が多い時間帯の発見:特定の時間帯に離脱率が高い場合、AI応答の遅延やサーバー負荷が原因の可能性があります。
  • 曜日パターンの把握:曜日による入電傾向を知ることで、シフト計画や定期メンテナンスの日程調整に役立ちます。

6. 通話時間分布タブ(通話品質の分析)

通話がどれくらいの長さで終了しているかを分布で確認できます。「即切り」の多発や、想定以上に長い通話の発生を把握するのに有効です。

KPIカード

指標 説明
平均通話時間 選択期間内の通話の平均秒数です。
中央値 全通話を時間順に並べた中央の値です。平均値と大きく異なる場合は、極端に長い/短い通話が存在しています。
即切り件数(10秒以内) 10秒以内に終了した通話の件数と割合です。即切り率が高い場合、ボットの第一声が分かりにくい、または間違い電話が多い可能性があります。
総通話数 分析対象の通話件数です。

分布グラフ

通話時間を区間ごと(例:0〜10秒、10〜30秒、30秒〜1分 等)に分類し、各区間の件数を「完了」「離脱」「CV」の積み上げ棒グラフで表示します。

CAUTION

即切り率が20%以上の場合、グラフ上部に警告バッジが表示されます。IVR案内の見直しや、第一声の改善を検討してください。

活用方法

  • 「即切り」が多い場合:ボットの初回応答が遅い、または発信者がボイスボットと気づいて切っている可能性があります。第一声の案内文を改善してください。
  • 長時間通話が多い場合:シナリオが冗長になっている、あるいはユーザーが迷っている可能性があります。ファネル分析と組み合わせて、どのステップで時間がかかっているか確認してください。

7. 転送分析タブ(有人対応の最適化)

ボイスボットからオペレーターへの転送状況を分析します。「どれだけの通話がボットだけで完結できているか」「どのような場面で有人対応が必要になっているか」を把握できます。

KPIカード

指標 説明
転送率 全通話に対して、オペレーターへ転送された通話の割合です。転送数と全通話数も併記されます。
ボット完結率 オペレーター転送なしで完結した通話の割合です。この数値が高いほど、ボットの自動応答が有効に機能しています。

転送先スキル別ランキング

転送先のオペレータースキル(窓口)ごとの転送件数を横棒グラフで表示します。各棒の右に件数と割合が表示されます。

  • 活用方法:特定のスキルへの転送が突出している場合、そのスキルが対応する問い合わせ内容をボットのシナリオに組み込むことで、転送率の削減が期待できます。

転送前の最終ノード

「シナリオのどの質問(ノード)でユーザーが答えられず、有人対応が必要になったか」をランキング形式で表示します。

  • 活用方法:上位のノードは、ユーザーが困りやすい質問やフロー設計に問題がある可能性があります。シナリオエディタで該当ノードの質問文や選択肢を改善してください。

8. AI品質(Performance)タブ

AI(音声認識や回答生成)のパフォーマンスに焦点を当てた分析です。

応答遅延ワーストランキング

AIの回答生成に時間がかかり、ユーザーを待たせてしまっているステップを特定します。

Tips:
改善のヒント:遅延が長い場合、プロンプトが複雑すぎる可能性があります。

聞き直し発生率ランキング

ボットが「もう一度お願いします」と聞き直した割合が高いステップを表示します。

  • 原因の推測
    音声認識(STT)が苦手な単語が含まれている、またはユーザーが何を答えればよいか迷って沈黙が発生している可能性があります。

9. AIコスト分析タブ(コスト管理)

生成AI(Gemini / Bedrock)のトークン消費量を可視化し、AI利用コストの把握と最適化に役立てます。

KPIカード

指標 説明
総トークン数 選択期間内に消費された入力・出力トークンの合計です。
1通話あたり平均 1通話に対して消費された平均トークン数です。シナリオの複雑さの指標になります。
ステップAIトークン 通話中の各ステップ(入力補正、バリデーション等)で消費されたトークン数です。
要約トークン 通話終了後のAI要約処理で消費されたトークン数です。

日次トークン消費量

入力トークンと出力トークンの日別推移を積み上げ棒グラフで表示します。急増している日があれば、入電増やシナリオ変更の影響を確認してください。

ノード別トークン消費ランキング

AIトークンを多く消費しているノード(上位10件)を横棒グラフで表示します。

  • 活用方法:特定のノードが突出してトークンを消費している場合、プロンプトが冗長であるか、RAGの検索範囲が広すぎる可能性があります。プロンプトの最適化やRAG設定の見直しでコスト削減が期待できます。

10. 分析から改善への流れ

  1. 離脱箇所ランキングで問題のステップを特定する
  2. ファネル分析で離脱が急増するポイントを絞り込む
  3. 時間帯分析で特定の時間帯に問題が集中していないか確認する
  4. AI品質タブで、そのステップの「遅延」や「聞き直し」が発生していないか確認する
  5. 通話時間分布で即切りや長時間通話の傾向を把握する
  6. 対応履歴(詳細)へ移動し、実際の録音や対話ログを聞いて原因を突き止める
  7. シナリオエディタで言い回しやフローを修正する
  8. 転送分析で改善後の転送率変化を追跡する
  9. AIコスト分析でコスト影響を確認する

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